「コンビニ人間」は「デジタル人間」
「コンビニ人間」村田 沙耶香 (著) 芥川賞を取って話題になっていたので
読む気もなかったけど、つい買ってしまい読んでみた。
アチャー・・あかん・・・本人の体験だと思うけど、もろ、アスペルガーじゃないか。
なんか今じゃアスペルガーは差別用語に認定されて、発達障害のくくりに入れられている
みたいで、曖昧にぼかされているみたいだけど。
小学校高学年の時にクラスの男子二人が激しい喧嘩をしている時、「誰か止めて!」の叫びに
反応して、近くにあったスコップで一人の男子を殴った・・そして唖然とした男子二人は
喧嘩を止めた・・・その後、先生や両親に怒られたり説得をされるのだが、何がいけなかった
のか判らないまま過ぎてきた。喧嘩を止めただけなのに。
とある、人間の一番高度な脳の前頭前野が未発達で、他人の気持ちを推察したり、行動や言葉が
他人に及ぼす影響や効果を類推できないなどの特徴がアスペルガーにはあるそうだ。
ただ、非常に成績の良い人が多いので大目に見られていることも多いが、異端者として扱われて
いることが多い。
作者というか登場人物(おそらく同一の設定)の思考から、なるほどこういう思考をしているのか
と良く判るので参考にはなる。
専門職などに就けば、その分野で大きな貢献をすることも多いかもしれない。ただ、周りは迷惑だけど。
スピルバーグやスティーブ・ジョブズもそうだったのだから。
私自身の体験で面白かったのは、ある人物が私の妻に対して罵詈雑言を浴びせ罵ったのに、私とは
喧嘩したことがないので友好関係にあると思い親しくしてきたり、頼みごとを言ってくるので
目を丸くしたことがあった。妻を罵られた夫(私)がその人に対して悪感情を持つということが
理解出来ないようだ。人間関係の類推や想像性が欠落しているのだろう。
世間では頭の良い人と言われているが、同年代からは仲間外れにされている。トラブルメーカーでも
あるので。
前頭前野の成長が小学校低学年辺りで留まっているようで、子供みたいと言えば可愛いが、大人の
世界だとつまはじきされてしまうのは仕方ないだろう。
「コンビニ人間」は読後感の良くない本だ。
ダイエットに向くかもしれない。食欲減衰に効果があるかもしれない。お勧めはしない。
- 2016.08.29 Monday
- 本
- 12:05
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- by 杉山